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2026.04.10
油外放浪記 第209回「レンタカーの収益性と成長性を改めて考える」
「売れない」月がなくなった
「ニッパチの枯れ」と言われるとおり、昔は当社のSSも、2月と8月は売り物がなく、業績が落ち込んだものです。
しかし車検、車販、レンタカーを油外の3本柱に据えてからは、それぞれの商材が相互にカバーし合うため、季節による利益の変動はほとんどなくなりました。
この2月も同様です(表1)。

営業利益は5,500万円(8店合計)。昨年同月を1,300万円上回り、2月の最高益を大きく更新しました。
燃料油は販売量、口銭ともに振るいませんでしたが、油外収益は2.5億円となりました。営業日数が少ないにも関わらず、絶好調と言っていいでしょう。
油外粗利の増加額は前年比2,700万円ですが、そのために増加した経費は880万円。店長たちのコスト管理スキルが上がってきたと感じます。
車検、車販、レンタカーすべてが好調を維持
油外商品別に見てみましょう。
車検は、1~3月に実施中のキャンペーンが好調です。
3カ月間で前年を103台、1,450万円上回る目標を掲げましたが、2月時点で中間目標を109台、410万円上回っており、この勢いのまま、本命の3月需要期に突入しています(表2)。

車販も前年実績を400万円改善しました。この調子を保ってほしいものです。
そして、何と言ってもレンタカー。前年より1,200万円改善して8,400万円の粗利を稼ぎました。
3月~GW(ゴールデンウイーク) の新規需要を狙って約50台を増車し700台としました。経費は700万円増加しています。1~2月は新規需要が起こりにくいので投資先行となりがちですが、リピーターの累積が収益を押し上げてくれたのだと思います。レンタカーの生活圏利用が、地域のライフスタイルに根ざしてきました。
生産性が2年間で1,800円/時改善
この2年間、店長たちに口うるさく言ってきたテーマが、「生産性の改善」です。これが従業員の給与改善に直結するからです。
では、どこから手をつけるか。当社はまず、「労働投入時間を意識しろ」ということから始めました。その効果が現れています(表3)。

2年前の労働投入時間は3万3,700時間、今年は3万2,500時間。1,200時間を削減しました。しかし油外収益は、2億円から2.5億円へと、2年間で5,000万円改善しました。その結果、1時間当たり油外収益は、6,000円から7,800円へと大きく改善。
このような劇的な改善ができるのも、生産性の高い商材(車検、車販、レンタカー)に注力しているからに他なりません。
中でもレンタカーは、販売員を必要とせず、作業員はアルバイトですので、すこぶる生産性を高めてくれます。
レンタカーは今も伸び盛り
当社のレンタカーが大きく伸びたのは、2018年度です。
旗艦店である仲町台店の車両を順次、中古車から新車に切り替えていくうち、収益化の方法論が確立しました。これを全店に波及させたところ、どこでやってもうまくいきます。新規出店しても、レンタカーのお陰で黒字化が大きく早まりました。
この方法論は、ニコニコレンタカーの有志FC店とも共有し、改善活動を支援するようにしました。目を見張る改善事例が毎年続々と各地で現れています。

(グラフ1)は、当社のSSの、油外商品別粗利益の1店当たり月間平均額の推移です。
車検は1995年から取り扱いを始め、21年を経た2016年、ようやく500万円に到達しました。その後もジリジリ上昇していますが、そろそろ設備キャパシティの限界に近づいています。
車販はいくつかのエポックがあり、段階的に成長しました。最近では業販やレッカーサービスが加わり、業績を押し上げています。しかし、肝心の「中古車小売」は伸び悩んでいます。
レンタカーだけは、いまだ天井知らず、そろそろ月間平均1,000万円を超えます。車検や車販と同様、地域需要に基づいた事業でありながら、鈍化する兆しがありません。かくも世の中は、自由なモビリティサービスに飢えているのかと、今さらながら思います。
SSレンタカーの強さ
レンタカーのいいところの一つは、燃料販売や他の油外と違って、単独の利益が明瞭に把握できることです。
主な経費は、車両の償却費、税金、保険、駐車場代。メンテナンス費は、保有車両をすべて新車に切り替え、高年式のうちに売却しているので、ほとんどかからなくなりました。
これらの経費は明瞭に計算できます。したがって、レンタカー事業だけは利益がはっきり把握できます。
そこでレンタカーの売上に占める営業利益の割合、すなわち営業利益率を算出してみます。50%近いことが分かります。
売上が1,000万円なら、経費500万円、利益500万円という、とんでもないビジネスモデルです。
500万円を投入すればl,000万円が戻ってくる、投資効率200%のビジネスとも言えます。
貸した車がまれに全損するので「元本保証」とは言いませんが、100台も保有すれば、これも必要経費。
駅前などに出店する大手ブランドの専業店に対し、半額料金でサービスしても、5割近い利益が確保できるのは「SSとの兼業」だからです。店舗設備も人も、SSの一部を活用できるからです。
そして必ずしも駅前に立地しない店でも、地域に密着した利便性の高いSSなら、地域の人たちが日常的に利用してくれるようになる。
だからSSレンタカーは強い。
ーという事実をご存知いただいてなお、レンタカーに本腰を入れないSS事業者様がなぜ多いのか? 不思議でなりません。
時代がSSレンタカーを後押しした
「SSレンタカーは強い」と申し上げましたが、正確に言うと、当社が主宰する「ニコニコレンタカーが強い」のです。
ここからはやや宣伝じみますが、きわめて示唆に富んだ話なので述べます。
ニコニコレンタカーのFC(フランチャイズ・チェーン)が発足したのは2009年の春です。奇しくも同じ頃、多くの格安系レンタカーブランドが
続々立ち上がりました。
あれから17年。毎年市場調査を実施していますが、ニコニコレンタカーのブランド認知率は、現在50%(全国平均)、つまり日本人の2人に1人が「知っている」状態です。これに対し他の格安系レンタカーは1~3%です。
この圧倒的な認知率の差は、そのまま集客力の差となり、売上の差となります。
ニコニコレンタカーの看板を掲げた店だけ売上が上がります。したがって、FC加盟店数はわずか9年で1,500カ所を超えました。他ブランドFCは数十~せいぜい400店止まりです。
全国1,500店の店舗看板が、さらに認知率を押し上げてきました。
店舗数の多さはまた、事業開発や広告宣伝のための予算規模に反映します。これが顧客の利便性強化などとリンクし、さらに集客力を高めているわけです。
ではなぜ、ここまで差が開いてしまったのでしょう?
2009年の初め、私たちはセオリーどおり、新事業の立ち上げをプレスリリースしました。すると偶然にも、当時の時代背景が、強力にこれを後押ししてくれたのです。
そう、リーマンショックです。
大型倒産、失業率、派遣切り、買い控え、生活防衛、車離れといったキーワードが連日ニュースを飛び交っていました。
そこに登場したSSレンタカー。「ガソリンスタンドの起死回生策」「お財布に優しい料金」「中古車の再利用」といった事業コンセプトに、あらゆるメディアが飛びついてくれたのです。
NHKはもとより、全国メディア、地方メディアヘと、約半年間もの間、様々なメディアから取材され、毎日のように「ニコニコレンタカー」が報道され、記事になり、WEBニュースに転載され、それを見た、別のメディアからまた取材申し込みが来る、といった状況が生まれました。
ニュースバリューの高い新事業デビューだったのです。あとになって「この宣伝効果は10億円を下りません」と広告の専門家から聞き、驚いたものです。
慌てて他の格安レンタカーもリリースを発信したようですが、「二番煎じ」はニュースになりません。そういうわけで、ニコニコレンタカーは最初から「一人勝ち」、格安レンタカーの代名詞となりました。
その後、雪だるま式に認知率が急上昇したのは、先に述べたとおりです。
レンタカーがSSを救う
当社のSSの営業利益のうち、レンタカーの利益が占める割合を(グラフ2) に示します。

燃料油、車検、車販は、SSの組織や設備をフル活用し、さらに販売促進やコールセンター、中古車仕入れ部門といった本社機能が支援しますので、高コストです。
ですから利益貢献で言うと、これらの商材が寄ってたかって、レンタカーの半分も稼げていないことが分かります。
1店当たり月間400万円以上の利益をもたらし、SS全体の3分の2を占めるのがレンタカー。
2020年に政府が「カーボンニュートラル宣言」をして以来、当社は新規出店を控えてきましたが、このほど解禁しました。
お客様がSSレンタカーを求めており、その潜在需要はどこまでも伸びている。しかしながら、これに応えるSS事業者様があまりに少ない。一方、当社は1店当たり年間5,000万円以上の営業利益を上げるSSモデルが完成しています。
さっそく物件探しや市場調査を始めています。でも本当は、本稿に刺激を受け、当社のビジネスモデルを本気で真似たい、盗みたいと考え、実行し、ともにSS業界を盛り上げていただける事業者様が出現されることを、切に願ってやみません。
そのために老体に鞭打ちながら、毎月あけすけに本稿を書いています。


