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2026.03.10

代表コラム

油外放浪記 第208回「SS従事者に「異次元の処遇改善」を」

怖いくらいの好調に不安がよぎる

当社のSSの1月実績がまとまりました(表1)。

2026年に入っても営業利益は伸び続け、過去最高の月次実績を更新し続けています。
暫定税率廃止の影響でしょうか、1月にもかかわらず、燃料油販売量は減少しませんでした。ただ口銭は前年より3円下落したため、粗利は500万円減少しました。

一方、油外粗利は絶好調。前年より2,800万円増えて2億3千万円。・・・にもかかわらず、経費は1,400万円しか増えませんでした。
経費の伸び以上に油外粗利が伸びる限り、私は目くじらを立てません。ただ、SSは地域商圏をターゲットとする店ですので、どこかで需要は底をつき、業績は天井にぶつかる日が来るでしょう。店の敷地面積や設備の限界もあります。

そうなると、従業員への昇給ができなくなる、モチベーションが下がるだろうなぁ、どうしよう・・・。
そんな埒もない弱気な考えがぐるぐる回ります。齢のせいでしょうか。

気を取り直します。まずは若者たちが元気いっぱい働いてくれているので、あと数年は増収増益基調が続くでしょう。その間に、勝ち抜く道を見出すことが経営者たる私の仕事だと、決意を新たにしました。

車検の早期入庫割引は一石二鳥

今年も1~3月は全店を挙げて、車検キャンペーンを実施しています(表2)。

昨年9月以来、入庫台数の前年割れが続いておりましたが、1月は前年より139台プラスの1,604台。粗利は7,100万円。月間目標を大きくクリアし、幸先よくスタートしました。

車検の受検期間は「満了日の2ヶ月前から」と延びましたので、早期入庫割引をアピールしています。たとえば「3月満了のお客様が1月に入庫すると2,000円引き」となります。お客様の反応はいいようで、それが入庫実績に現れました。

さらに良いことがあります。
例年、3月に入庫が集中し、整備工場のキャパシティをオーバーします。昨年は50件以上をお断りせざるを得ませんでした。
ところが今年は、1月に入庫した1,604台のうち、222台は3月満了の車両でした。3月の入庫過多を、少しは緩和できたでしょうか。

なお、222人に2,000円引きをしたにもかかわらず、1台当たり粗利は、昨年41千円に対し、今年45千円と、むしろ上がりました。割り引いた以上に整備を買っていただけたということでしょう。

車検台数の増加も、整備士が配備されてこそ

車検は、小売業のように「仕入れて在庫して売る」商品ではありません。1台1台、点検し、その車に必要な整備を施すわけですから、作り溜めしておくことができません。
かと言って、処理スピードを上げれば手抜き整備が発生し、重大な事故を引き起こし、たちまち会社の存続危機を招きます。したがって、車検の業績を伸ばすには、相応の整備士数を配備することが不可欠です。

(表3) は、昨年下半期の当社SSの平均的な整備士の生産性です。1店当たり平均4.6人が配備され、1人当たり月間45台を点検整備し、1時間当たり9,800円の収益を上げました。

しかしこれは、あくまで平均値。店ごとに大きくバラッキが生じます。たとえば、所沢店と小田原東IC店は、ともに昨年12月に整備士が1名退職しました。そのため、他の整備士に大きなシワ寄せが生じています(表4)。
この種の事態は、日常的にどのSSでも起こっているでしょう。しかし放置しておくと、従業員は健康を損ね、精神にも変調をきたし、ミスや手抜きが頻発しかねません。

すぐに補充しなければなりません。しかし昨今の、全国的な整備士不足。採用が困難なだけではありません。
他社からの引き抜きが激化しています。対抗措置として、当社は1月から整備士の初任給を5万円引き上げ、全整備士の給与をベースアップしました。

職業能力訓練校は穴場かも

最近知ったのですが、職業能力開発校なるものが、全国に166校あるそうです。都道府県が運営する施設で、就職や再就職を目指す若者に技術や知識を研修し、ハローワークと連携して就職支援もしてくれるそうです。

先日、神奈川県立東部総合技術校の「カーエンジニアコース」で学ぶ整備士の卵24名に、当社の採用担当者が募集説明会を行いました。
その結果、3名が興味を持って職場見学に来てくれました。なかなかの好反応です。他県も含め年間20回も説明会を開催すれば、それなりの応募者数が確保できるかもしれません。

外国人整備士も遜色ない

6年前から外国人整備士の採用も積極的に推進しています。
日本語を学びながら整備技術を習得し、日本で整備士資格を取得した外国人が全国にいます。
当社のSSの従業員のうち、17人が外国人、そのうち13人が整備士です(表5) 。
整備士に占める外国人比率は25%を超えました。

当初は不安もありました。しかし、職場によく馴染んでくれています。整備技術も申し分ありません。そして何より、退職しません。
もちろん、日本人と同じように面接して採用します。給与などの条件は日本人と同じ。そこから本国の家族に仕送りをしているわけです。同国人同士の緊密なネットワークがあるようで、紹介による応募が増えています。

建設業界の気概に、大いに共感

社会生活を支えるために不可欠な労働者を「エッセンシャルワーカー」と言います。
「仕事がキツい、低賃金、人手不足」というイメージがつきまといます。

先日、建設業界団体の「日本建設業連合会(日建連)」の会長(元清水建設社長、宮本洋一氏) のインタビュー記事を見て、目が惹きつけられました。その要旨は–

「2025年は、建設費の高騰が大きな問題となりました。その一因が人手不足です。今後必要な人材を確保するために『異次元の処遇改善』を図りたい。目指すは平均年収1,000万円。アメリカに倣い、日本でもエッセンシャルワーカーがきちんと稼げる世の中にしていく必要がある」とのこと。

まさに「我が意を得たり」と喝采しました。私の思いも全く同じです。頑張れ日建連!
SS従事者も整備士も、エッセンシャルワーカーです。彼らの年収が1,000万円になれば、どんなにか素敵なことでしょう。
SS業界では誰も言ってくれないので、僭越ながら私が言いました。

ちなみに当社のSSは、店長こそ平均年収1,000万円を超えましたが、一般社員となると、まだ500万円に満たない状況です。これを600万円、700万円へと、一歩一歩引き上げていきたい。

年収アップの鍵は生産性です。当社が車検、車販、レンタカーに注力するのは、そのためです、そして、これら3品の生産性に匹敵する、あるいは超える商材を、何としても見つけ出さないとなりません。当社も「異次元の処遇改善」を果たしたいと、心の底から切望します

年間営業利益5,000万円のSSづくりが完全定着

最後に、当社SSの2025年の年間実績が出ましたので、簡単に総括します(表6) 。

➊燃料油販売量は減少傾向が止まりません。口銭も低迷。
➋油外収益は、車検、車販、レンタカーの3品で9割を占めます。
➌油外3品の中では、車販がトップを維持、レンタカーが著しく伸びました。いったいSSレンタカーの市場は、どこまで伸びるのでしょう。
➍営業利益は5億円。1店当たり年間営業利益は、2024年に初めて5,000万円を超えましたが、2025年は6,300万円。一つ山を越えると違う景色が見えてきた、かもしれません。

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