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2020.10.19

代表コラム

油外放浪記第143回 年間5000万円以上の営業利益を 生み出すSSの普遍性

お客様が戻ってきた

当社SSの営業利益は、7月も当月ギネスを更新しました(6店合計/表1)。

これまでの当月最高記録は2017年7月の1,664万円、今年は2,636万円ですので、約1,000万円更新です。
コロナ禍による外出自粛で落ち込んだ燃料油販売量は、すっかり前年並みに戻りました。口銭が高止まりしていますので、燃料油粗利だけで1,000万円以上増加しました。

車検は順調に伸びています。
車販はレンタカーなどを安価販売したので台数は倍増しましたが、粗利はやや減りました。

そのレンタカーも新型コロナの影響がほとんどなくなりました。6月、7月と復調しています。
当社SSはここ数年、「押せ押せ」でレンタカー車両を増やしてきました。しかし4月末に緊急事態宣言が発令され、経費削減のため、慌てて余剰車両を減らそうと舵を切りました。

店別に見ると6店6様です(表2)。




仲町台店、堀之内店は大きく減車しました。それが後を引き、いまだ需要の回復に追いついていません。一方で、センター南店は減車しそびれました。そのため、需要回復の波に乗ることができました。
平塚店、寒川店は減車したものの、うまく車両の稼働率が高まり、回復需要を吸収することができました。

生活レンタカーはコロナに強い

当社SSは市場規模以上に車両を増やしたので、このようにジタバタしたわけですが、ほとんどのSSレンタカー店は、身の丈に合った(または身の丈以下の)車両台数しか保有していません。したがって、新型コロナによる影響は最小で済んだようです。

グラフ1はニコニコレンタカー1500店の利用回数を前年同月と比べて、推移を示したものです。
大手レンタカー店と比較してみました。


生活インフラとして活用されるニコニコレンタカーは、4月をピークに下げ止まり、6月はほぼ前年並みに回復しました。
一方、ビジネス・旅行・観光需要をメインターゲットとする従来型レンタカーは、いまだ回復の兆しなく壊滅状態です。

喉元過ぎれば熱さ忘れる

さて、コロナ禍が長期化することを想定し、車検客に対する「定期点検」の実施を重点化してきました(当社では「サイクル点検」と称しています)。

前年同月比率の推移を「グラフ2」に示します。


4月、当社SSの燃料油販売量(すなわち来店客数)は2割減りました。
びっくりしたSSスタッフたちは5月、点検によって不具合箇所を指摘し、整備を一生懸命すすめました。その結果、前年比1.5倍のメンテナンス収益を得ました。

ところが6月から燃料油販売量も油外収益も回復し始めます。たちまちスタッフたちの危機感と熱意は薄れてしまいました。

SSは年間5,000万円の営業利益が稼げる

当社は6月に決算を迎えました。表3は、第34期の決算結果です。

6店合計の年間営業利益は、前期は1.3億円でしたが、今期は2.6億円と倍増しました。
当社は年間5,000万円以上の営業利益を稼ぎ出すSSを「ニコニコステーション」と呼び、その実現を2014年から目指しています。

一番乗りは仲町台店でした。2018年(第32期)に5350万円、続く2019年(第33期)は6,391万円の営業利益を上げました。

2年連続して「ニコニコステーション」」の称号を得たわけですが、実は、仲町台店しか実現できていないことに一抹の不安がありました。
これはもしかしたら、仲町台店だけの特殊事情による「例外」あるいは突然変異ではないのか。果たして、他のSSでも「再現」できるものなのか?

もしも仲町台店が「例外」なら、他のSSのスタッフのモチベーションを維持できません。
本連載「油外放浪記」をご愛読いただいている皆様にも、「今までの話は何だったのか」と思われても申し開きができません。

しかし、ついに第34期、晴れて6店中3店が年間営業利益5,000万円(月間平均417万円)に達し、「ニコニコステーション」になりました。
コロナ禍を吹き飛ばしての快挙です。

さぁ、これでどんなSSにも年間営業利益5,000万円以上を実現する途が大きく拓けたと考えていいでしょう。普遍的に通用する標準手順、これを積み上げさえすればいいのです。

他のSSにも「後に続け!」と鼓舞できますし、私たちと同じく油外販売で増収増益を目指される、すべてのSS経営者の皆様に対しても、自信を持って「できますっ!」と言えます。

車検、車販、レンタカーを強化

3店がニコニコステーションに至った経緯をかいつまんでご紹介します(表4)。

【仲町台店】

1995年11月、当社直営の第1号店として開所。
「SSを超越するSSにしようと「スーパーステーション仲町台」と命名。オープンイベント期間の6日間で350klを販売。翌年2月に車検が解禁されるや「9,800円」で売り出してみたらお客様が殺到。SS業界、整備業界を随分お騒がせし、非難も浴びました。

当時、油外販売で月に3,250万円の粗利を稼ぎ(自称)、日本一を標榜したところ、同業者が毎日のように見学にいらっしゃいました。

2008年8月にレンタカービジネスの実験をスタート、これが現在のニコニコレンタカーFC1500店の嚆矢(こうし)となります。

その後、SSをセルフ化し、車検倍増プロジェクトを経て、ようやく安定黒字SSになりました。

2017年、レンタカーに着目した店長が「Nメソッド」を開発、レンタカーが爆発的に増収増益し、「ニコニコステーション」一番乗り。
第34期の年間営業利益は9427万円。もしもコロナがなければ、大台を突破したでしょう。
現店長は36歳独身。

【センター南店】

敷地面積の狭い都心型フルサービスSSを運営継承しました。
仲町台店から2kmの距離にあり、商圏は重なりますが弟分的な存在です。
高付加価値SSとしてスタートし顧客のVIP化と接客によりLあたり50円の油外販売実績を記録しました。

2005年にガソリン漏洩の濡れ衣を着せられ、運営停止したのを機にセルフ化。セルフ給油の下、油外販売手順が見つからず、しばらくダッチロールを続けましたが、2015年より安定黒字体質に転換しました。
店長は29歳独身、7月から本社に異動しています。

【寒川(さむかわ)店】

神奈川県の郡部にある田舎の店。
3年間で5,600万円の赤字が累積したSSを、居抜きで運営継承しました。
土地柄、人の流動性が少なく、当社が得意とする販促に反応してくれるお客様が少ない印象です。

長らく赤字から脱却できずにいましたが、2015年に実験販売した新車リースがブレイク、一気に黒字SSになりました。
現在当社のSSは、車販関連で年間3億円(6店合計)の粗利を稼ぎますが、その突破口となったのが新車リースです。そして、これを先駆けたのが寒川店の、当時アルバイトから社員になったばかりの女性スタッフです。

2018年にはNメソッドを導入し、レンタカービジネスも大幅黒字化。
その後、堀之内店の開設に伴い店長を移動させ、件の女性スタッフを新店長に抜擢。アルバイト歴4年、社員歴2年でしたが、年配男性スタッフからも信頼され、負けず嫌いの性格そのままに、燃える目標達成集団へ変えてくれました。

店長就任2年目で「ニコニコステーション化」は立派です。しかも2018年12月から寒川店の月間利益のギネスを、19カ月連続で更新中。
店長会議での彼女の毎度の発言「死ぬ気でがんばりますから、大丈夫です」が、なんとも心強く感じます。
店長は33歳独身、当社初の女性店長。

失敗から学んだ4つの落とし穴

当社MICの本業は、販売促進支援業です。SS運営はいわば兼業です。
もしもマーケティングの仮説通りに販売促進を実践すれば、ガソリンも洗車も飛躍的に増販できるに違いない、その実験台として始めたのが仲町台店です。

目論見どおり、開店1年でガソリン販売量は月間800kl洗車粗利は600万円に到達しました。
しかし短期間に湯水のように販促費を投入したため、毎月300万円を超える赤字を出していました。

それから20年、私の「油外放浪」の旅が始まりました。
幸い当社は、SSの赤字を本業の収益で埋めることができました。
しかし一般的なSS事業者の皆様は100万円、1,000万円、億単位の「実験・開発」コストを右から左に使うことなどできないでしょう。私が道楽まがいに得てきた教訓をお役立ていただければと、本稿をしたためている次第です。

とりわけ、いくら努力しても失敗する商品があります。次のパターンに該当する商品は手をつけないほうがいいと思います。

➊市場が小さい商品
典型は「窒素ガス充填」です。「無料でもいらない」と言われたほど、消費者は無関心でした。鳴り物入りでピットに設置した大きな窒素タンクは、今も苦い思い出です。

➋生産性が低い商品
レバーレート5000円以下の商品は、骨折り損のくたびれ儲け。当社SSで月600万円の洗車粗利を上げていた時、実はそれ以上の洗車コストがかかっていました。

➌競合が多い商品
ニーズがあってもレッドオーシャン(供給過多)市場に参入すると、無益な消耗戦に巻き込まれます。たとえば当社SSで「夜間タクシー洗車」をやってみましたが、商圏内4店で綱引き、価格競争、コスト割れ・・・。撤退しました。

➍SSに不自然な商品
当社SSで「シューズリペア(靴修理)」をやってみたことがあります。ドイツ製の高額機器を購入し、専門スタッフを雇用育成して全力で販売促進しましたが、SS業態とはミスマッチ。あえなく1年で撤退しました。

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