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増田信夫の油外放浪記  MIC社長増田信夫 第91回 キーワード「定額」に反応する多様なリース客層

SSで個人オートリースは何台獲得できるか?

国内乗用車6,100万台のうち、実に4分の1の1,500万台が「個人オートリース」に切り替わるかもしれないという、一大マーケット誕生の可能性を前回述べました。

しかし、話が大きすぎるのでピンと来ないかもしれません。SS単位で考えてみましょう。
ガソリン販売量が月間300klのSSを想定します(表1)

➊車1台あたり月間60L給油するとして、SSの利用客数は約5,000台です。
➋平均8年サイクルで車を買い替えるとして、年間625台の買い替え需要が発生しています。
➌その需要の25%に当たる156台が年間の「見込み客」となります。
➍つまり、月間平均13台が「個人オートリース」を検討してくれます。
➎平均的な販売力を持つSSスタッフが説明すれば、20%程度のシェアは無理なく獲得できます。つまり、月間2.5台(年間30台)の個人オートリースが獲得できることになります。

車1台成約すると25万円くらいの粗利ですから、 月間625千円(L当たり2円)の新たな収益が手に入るわけです。
車検、車販、レンタカーなどの油外収益が頭打ちになっているSSにとって、設備投資や販促費、人件費をかけず、在庫リスクも負わず、新たに2円/Lが積み上がる商材は魅力ではないでしょうか。

商圏に認知されれば月200万円の増収

「給油してくれる顧客だけが顧客じゃない」とお考えの経営者は、SSの外にも目が向くでしょう。前回述べたように、競争相手がいないブルーオーシャンが目の前に広がっています。

SSの周辺世帯数が3万軒、車両保有率が120%の、平均的な商圏について考えます(表2)

➐商圏内の乗用車台数は36,000台です。
➑8年サイクルで買い替えるとして、年間4,500台の買い替え需要が発生しています。
➒ このうち25%の1,125台(月間93台)が、「個人オートリース」の潜在需要として存在しています。

しかし、潜在需要であるので、顕在化させるには告知活動が必要です。商圏に対する告知活動の量・密度・期間によって、認知率は変化します。そして、有効需要として浮上するのです。

ーでは、いったいどれくらいの告知活動を実施すればいいのでしょうか?
当社が主宰する「ニコニコレンタカー」の全国的なブランド認知率は、8年目でようやく30%を超えました。全国7,746万人の免許保持者のうち、約2300万人が「知っている」わけです。

ニコニコレンタカーはFC本部だけでも1億円以上の広告宣伝費を投入し、全国1,400カ所以上の店がそれぞれに看板やのぼり旗を掲げてきた結果、30%を超える認知率にまで到達したのです。

このように全国規模で認知率を上げるのはなかなか大変です。
しかし、SS商圏は狭いので、商圏内認知率を上げるのは比較的簡単です。

「ニコニコレンタカー」の第1号店は当社の仲町台SSですが、スタートしてから、半年後に商圏内認知率を調査してみたところ、45%に到達していました。投入した広告宣伝費は200万円にも満ちません(表3)




これを目安にすると、商圏内3万世帯に月2回の折り込み広告を半年間も実施すれば、30%程度の商圏内認知率を得るのは問題ないでしょう。
そこから20%のシェアを獲得すれば、月間契約数は6台となる計算です(表4)

SS利用客から獲得する2.5台、これに商圏から獲得する6台をプラスすれば、月間8~9台の成約が現実的です。獲得できる粗利は月間200万円以上となります。

このために投入する広告宣伝費は月平均30~40万円であり、粗利に占める割合は15~20%程度。十分に採算に合うわけです。

個人オートリースのターゲット像

告知活動を行うためには、ターゲット像を明らかにするのが不可欠です。
当社SSでは、すでに100人を超えるお客様から「個人オートリース」の契約をいただきました。しかし、お客様の属性を収集整理するのが遅れたため、64人分の情報しかとれていません。その一端をご紹介します。

(1)性別と年齢層(グラフ1)

当初、セカンド・カーとして主婦層が個人オートリースを利用するものだとの先入観がありました。しかし実際は、男女比が2対1。働き盛りの40歳前後が中心年齢です。平均年齢は42.2歳です。意外にも70歳を超えた年金暮らしの女性が2人いらっしゃいました。

(2)年収(グラフ2)

「月々1万円ポッキリ」というキャッチコピーに興味を示して契約してくださった方々ですが、平均年収は503万円です。
決して低所得者層だけがターゲットではないことが分かります。逆に年収800万円以上の高所得者が15%と少なくありません。
支払い額というよりむしろ、「定額払い」の支払方法が評価されているのだと感じます。

(3)SS利用客と商圏客(グラフ3)

64人のうち、SSのお客様は41人、約6割です。そのうち車検のお客様が29人と最も多く、次いでレンタカーのお客様です。
車検はSSに対するお客様のロイヤリティを高める、よい囲い込み商材だと改めて感じます。レンタカーも、車販見込み客を集客する商材だと位置づけられるかもしれません。
今後、商圏内認知度が高まるにつれ、SSを利用していない商圏客の比率が増えることを期待しています。

(4)下取り(表5)

64人のうち4割が車の下取りを当店に委ねてくれました。

下取り車両の平均像は、12年落ち、走行距離9.8万km、下取価格9.8万円となります。
これがまた中古車販売、レンタカー、オークション出品、廃車処分などで利益を生むわけです。

1円でも高く愛車を換金したい人はもっと条件の良い買取屋さんに行くものですが、個人オートリースのお客様は、車に対する「こだわり」が比較的希薄なため、当店にお任せいただけたのだと思います。

下取り車に占める軽自動車の比率は2割ですが、乗り換えた車では6割以上となりました。軽自動車から普通自動車ヘアップグレードしたお客様は1人だけです。車両の小型化(ダウンサイジング)の傾向がよく分かります。






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