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増田信夫の油外放浪記  MIC社長増田信夫 第90回 個人オートリースビジネスはブルーオーシャンだった

個人オートリース商品を投入した寒川SSを総括

何をやっても赤字から脱却できず頭痛のタネであった当社寒川SSが、昨年6月「定額ニコノリパック」という個人オートリース商品を投入するや否や、突如として「ドル箱」SSに転じたことを以前も述べました。

あれから10カ月経ちましたので、今一度、整理してみました(表1)

10カ月間の車販台数は167台です。前年同期は29台でしたから、一挙5倍の大躍進です(グラフ1)

売れた167台のうち、新車のオートリース契約は51台に過ぎません。レンタカーや中古車在庫85台が売れ、オークション落札代行で31台が売れました(グラフ2)

つまり「定額ニコノリパック」は車販の起爆剤です。

元気よく自動車販売に取り組んでいるという店のイメージがお客様に伝わり、興味をそそられたお客様がやってきます。その結果、オートリースに向かないお客様もたくさんいらっしゃいます。そこで在庫中古車やオークション車両、他の支払い方法を提案すると、これが売れます。

というわけで「定額ニコノリパック」が寒川SSの車販全体を活性化したと言えるでしょう。(※在庫車はレンタカーや下取り車の販売を含みます)

車販収益は、この期間合計で3265万円です。前年が299万円でしたから、10倍以上の成果です。「定額ニコノリパック」は1台当たり30万円くらいの粗利があり、車販収益全体を押し上げた格好です。
広告宣伝費もかけています。10カ月間合計で593万円をかけました。

「定額二コノリパック」だけを告知していますが、中古車も含めて167台が売れたというのは「1台成約するために36千円をかけ(CPO)、200千円を稼いだ」ことになります。CPO比率は18%ですから、まずまずでしょう。
「どんな広告宣伝が効果的なのか」がだんだん分かってくるにつれ、まだまだCPOは改善されると思います。

個人オートリースの市場を見る

「個人向けオートリース」というサービスは昔からあります。
多数のリース会社がいろんなブランド名で取り扱っています。これを活用する車屋さんも世の中にたくさんあります。オリジナルブランドを謳ったり、チェーン展開をしている車屋さんも少なくありません。

にもかかわらず、新参者の「定額ニコノリパック」がブレイクしたのはどういうわけでしょう。
ひょっとして「個人向けオートリース」を知っているのは業界人だけで、一般ユーザーはほとんど知らないのではないか。
現にほんの1年前の私たちも、リースとローンの違いすらよく分かっていなかったではないか・・・。そう感じていました。

そこで、このたび市場調査機関に依頼し、インターネットで全国調査をやってみました。その結果を披露いたします。

 

Q.「個人オートリース」「マイカーリース」と言われるサービスを知っていますか?

回答結果は(グラフ3)です。

案の定、3分の2の人が知りません。「ブランド名まで知っている」と回答したのは1.7%だけです。

さらに「知っているブランド名を挙げてください」と質問すると、見当違いな回答ばかり。
正しく答えられたのは、2人だけでした(表2)

「世の中の誰も、個人オートリースというものを知らない」と言っても過言ではないでしょう。これはつまり、リース会社も車屋さんも、これまで真剣に広告宣伝してこなかっただけだと思います。





Q.「定額二コノリパック」の案内チラシを見て、どう思いますか?

回答結果は(グラフ4)

インターネット調査ですから、商品説明は新聞折り込みで使ったチラシをパソコン画面で見ていただくだけですが、それでも3割が「魅力を感じた」と評価してくれました。
国内免許保有者は約8000万人ですから、2000万人以上が魅力を感じているサービスということになります。

「魅力を感じた理由」「感じなかった理由」も聞いてみました(表3)

「安い」と感じた人が多いのは、商品コンセプトやアイキャッチの見せ方によるもので、ほほ予想していたことです。

ちょっと意外だったのは、「定額だから」と回答してくれた人が同じくらいいるという事実です。確かに最近は、電話もかけ放題、ネットも利用し放題、音楽も聴き放題、映画もマンガも見放題、といった定額サービスが増えました。

「定額」は最近の消費を考えるキーワードかもしれません。
翻って、今や贅沢品とはいえない「車」です。税金や整備といった突然の出費が、一般市民の生活をいかに不安にさせているかということが、アンケート結果からうかがい知れます。

それからもう一つ。私がいろいろと車販ビジネスを模索していた時、たくさんの業界人が「個人オートリースはダメだよ」「ヤケドするよ」とアドバイスしてくれたものです。なぜですかと尋ねると、決まって次の答えが返ってきました。
 ➊リースは割高になるから嫌われる。
 ➋リースは車が自分のものにならないから嫌われる。

ところがどうでしょう。(表3) を見ると、➊と感じた人は2.5%、➋と感じた人は1.9%しかいません。つまり、➊➋は、「都市伝説」に過ぎなかったのです。

これを鵜呑みにし、現実のマーケットニーズから乖離し、何も手を打っていないのが、今までの自動車販売業界なのかもしれません。



Q.自家用車を買い換える時、あなたは「定額二コノリパック」を検討したいと思いますか?

回答結果は(グラフ5)

25%が「検討したい」と回答してくれました。この数字はシビれます。
国内には約6100万台の乗用車があり、その4分の1を占める1500万台が「定額ニコノリパック」の潜在顧客になり得ることを意味します。

さらにこれをきっかけに、中古車販売ビジネスも活性化するとすれば、どうなるでしょう。思わず電卓を叩いては、ほくそ笑んでしまいます。

「個人オートリース」ビジネスやるなら今のうち

確固とした需要がありながら、供給者が少ない市場の状態を「ブルーオーシャン」と呼びます。
しかし、その需要の存在が明るみになれば、次々と競合が増え、濁った「イエローオーシャン」となります。やがて血で血を洗う「レッドオーシャン」へと変化し、敗れて撤退する事業者が現れます。

ガソリンスタンドはこうした経緯をたどってきた典型例でしょう。
言うまでもなく、ブルーオーシャンが最も収益性が高く、そこに参入する事業者は笑いが止まりません。

「個人オートリース」ビジネスはどうでしょう。参入障壁が低いので、いずれはレッドオーシャンになります。でも現在は、ブルーオーシャンです。

今の日本、なかなかブルーオーシャンにはお目にかかれません。
ですから、この原稿を読まれた方はラッキーです。目の前にあるこのチャンスをお感じになった方は、さっそくブルーオーシャンに飛び込んで大漁を手にすることでしょう。

そう遠くない日、シャンパン片手にゆったりと「青い海」を眺めておられるかもしれませんね。


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