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増田信夫の油外放浪記  MIC社長増田信夫 第75回 2014年の「油外放浪」を総括!

働けど働けどわが暮らし楽にならざり

あけましておめでとうございます。
新年ですから、昨年の当社SSの活動を総括し、今年の意気込みを述べます。

<表1>は当社SSの「過去3年間」の営業実績です。

2014年の年間利益は少し改善し、1,800万円でした。1年間かかって1SS当たり月30万円ですから、雀の涙です。実は、本社分担経費を折り込むとほとんど利益は残りません。

多くの手数を繰り出したにもかかわらず、不甲斐ない結果となり、わが無能力さを嘆きます。

車検は増えたが販促費も増えた

当社のような一般特約店は、ガソリンの調達力が強くないので、わずか4円/Lのガソリン口銭に甘んじるしかありません。生き残るには油外収益が必要です。
「車検」を最重点商品としてここ10年やってきたわけですが、2013年から一層拍車が掛かりました。

「車検」は購入期限が決まっている必需品ですから、「来店客の5割のシェアを獲ろう」「そのためにできることはすべてやろう」と意気込み、風車に向かうドン・キホーテのように突進したわけです。

お金と手間をかけた割りに空振りに終わったこともありました。しかし、2年間も行動を続けていると結果は出るもので、年間4,600台だった車検台数は7,000台に、年間1.8億円だった車検収益は2.5億円に改善しました(2012年と2014年の対比)。
油外収益が4.6億円から5.6億円へ1億円改善しましたが、「車検」はその7割の貢献度を占めます。

他に増えたのは「中古車売買」です。
5.6千万円から8.8千万円に増えました。車検の販売行動を増やしたため、車販の糸口をつかむ機会が増え、さらに車販担当者が育ったことが大きな要因です。

「中古車リース」も徐々に形になってきました。レンタカーとしての役目を終え、償却が済んだ古い車を、安価にリースするというサービスです。
年間2,700万円ほどの粗利ですが、人件費がほとんどかからない固定収入です。

レンタカー収益は少し落ちています。車検が増えたため、レンタカーを代車に使用したことも原因のひとつですが、競合も増えました。
例えば「宅配レンタカー」が出現しました。来店しなくても自宅まで配車してくれます。便利ですね。レンタル料金は、当社とあまり変わりません。

ハイブリッドカー専門のレンタカー店も近所にできました。
カーナビ付きだと当社よりレンタル料が安く、しかもガソリン代込みです。どう考えても採算が合わないやり方ですが、お客様にとっては安くて便利。一部のお客様が奪われたと思われます。

油外収益が1億円増えたにもかかわらず、利益が振るわないのは、経費も増えてしまったからです。5.1億円の経費が6億円に、9,000万円も増えました。これは主に車検を増やすための経費です。

随分無駄な販促実験を繰り返したわけですが、その結果、費用対効果が明らかになったのは収穫です。
昨年秋、当社の茅ヶ崎SSと中古車買取店を統合しました。これも経費増の一因です。
中古車買取店はもともとコンスタントに利益を出していましたが、毎月600万円の経費が掛かっていました。これを茅ケ崎SSが丸ごと抱え込むことになりました。しかし、事業統合直後のドタバタで、買取ビジネスが機能不全に陥り、2014年後半は大きな赤字を計上しました。

いずれにせよ、何かを得ようとするなら先行投資は必要なわけで、これがいつ回収できるだろうかと、貧乏経営者の胃はキリキリ痛むわけです。

効果の高い販促に絞り込む

今年はひつじ年ですが、当社SSは「ひつじの皮を被ったイノシシ」ー猪突猛進を続けます。
<表2>に計画を示します。

燃料油収益は「横ばい」と見ていますが、油外は5.6億円から6.3億円へ7千万円増を目指します。その立役者は、やはり「車検」と「中古車売買」です。

経費は5千万円しか増やしませんので、利益は2千万円増える目論見です。
車検の販促費に対して、今年は大ナタを振るいます。
車検1件を受注するために投入した販促費を「CPO」(Cost Per Order)と言いますが、2013年は車検1台当たり1万円かかっていました。2014年は7,400円に改善、そして今年は5000円以下を目指します。

すなわちCPOの高い手段を縮小し、逆に、CPOの低い手段を重点化、徹底します(表3)

CPOが最も低いのは、SS来店客に対する販売活動です。SS来店客のうち車検を今年迎えるのは約7,500人。ここから約半数の3,500台を獲得する計画です。販促はガソリン割引サービスがメインですから、CPOは2,500円程度に収まります。
でも、それだけでは目標に届きません。そこで商圏内からも車検を獲得します。

この2年間、いわゆる無差別大量広告をいろいろ試してきましたが、総じてあまりCPOがよくありません。
そこで今年は、商圏告知手段の中でもピンポイント告知に近い「ホームページ」と「ミラーリング」を重点化します。

ホームページは試行錯誤の末、昨年9月以降、月々150件近い車検を獲得するようになりました(グラフ1)。この調子を維持強化すれば、年間2000台の車検を獲得できるでしょう。

ミラーリングも商圏内の車検対象車両にピンポイント告知する方法です。このため、CPOが低いのが特徴です。ただ、肝心のミラーリング活動要員の確保が、横浜市内でやや困難になってきました。アベノミクスの影響でしょうか。ミラーリング手数料を値上げするなど、目下対策を施しているところです。

車検チェーン店の利便性にどう対抗するか

不安材料がないわけではありません。
当社の旗艦店である仲町台SSの直近に、車検専門チェーン「車検の速太郎」が登場しました。間もなく指定工場として認可され、大々的に広告宣伝するだろうと思います。

「速太郎」は格安で、かつ立ち会い45分間で完了するスピード車検です。なかなかの利便性です。このまま無策で手をこまねいていれば、年間1,000台は奪われるに違いありません。
価格競争では負けません。
しかし、SSの整備室は狭いため、お客様立ち会いの下、大量の車検を短時間で処理するのは困難です。これにどう対抗しようかと、悩んでいます。

まず思い浮かぶのは、昔ながらの「引取納車サービス」です。
ビール1本でも無料で配達する酒屋が東京で大繁盛していると聞きます。最近はコンビニでもスーパーでも、こぞって宅配サービスを「売り」にしています。ましてや、客単価数万円の車検を「宅配する」なんて、わけないことじゃないか。
そう思い、昨年「引取納車サービス」を大きくアピールしてみました。

とは言うものの、SSの人手不足は深刻ですから、「持ち込み車検」と「引取納車車検」を同一価格に設定するのはやはり抵抗があります。
「持ち込み車検」は1万円、「引取納車車検」は2万円としてみました。これでも他社より十分
安いので、やってみることにしました。

結果は「引取納車車検」の注文はゼロ。消費者はまったく反応しませんでした。
やはり、配達料を無料にしなければいけないのでしょうか。
人手が確保でき次第、改めてやってみるつもりです。

今年は「SS+中古車買取」複合店が開花する

「中古車売買」について今年の目論見も述べておきます。
車検台数の伸びとともに、当然ながら車販や買取の商談件数も増えるでしょう。それから、茅ヶ崎SSに付加された買取専門機能がフルに実力を発揮することを期待しています。

中古車買取店の集客は「店頭看板」が命です。
かねてより計画していた大型LED看板が、昨年12月にようやく設置されました。なかなかの迫力です(写真1&2)
果たして、SSと買取の複合機能がどれだけのパフォーマンスを示すのか、興味深々です。


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