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増田信夫の油外放浪記  MIC社長増田信夫 第54回 ああSSで良かったと感じる大発見

車検倍増作戦、奮闘中

前号に引き続き、当社SSの車検倍増作戦「GET8000」の経過をお知らせします。
今年は5SSで計8000台の車検を入庫しようという試みです。

1月11日から店頭活動を開始しましたが、2月末時点の車検予約は4000台を突破しました。
そして2月の入庫台数は550台です。昨年2月が370台でしたから、180台増です。
緒戦はまずまず順調な立ち上がりと言えるでしょう。
「GET8000」の活動は、安倍政権にならうと「三本の矢」で構成されます。
  ①SS店頭での車検獲得
  ②チラシやWEBを活用した商圏からの車検獲得
  ③顧客リストを活用したDMによる車検入庫

まず「第1の矢」を放っています。
これは、SSの来店客全員に「次回の車検の予約をお願いします」と意向確認する活動です。
昨年までは車検満了日が近くなった顧客だけアプローチしていました。しかし今は無差別攻撃です。ただし車検満了が4ヶ月以上先の顧客に対しては、車検証を見せてもらったり重量税やエコカー減税などを算出した見積額を提示しません。でも車検入庫日や事前点検日はしっかり決定します。これを「仮予約」と称しています。短期促成アルバイトでも予約が獲得できるよう、ややこしい情報を取るのは後回しにしたわけです。

リスト獲り感覚で車検は囲い込める

さて、ここで問題です。
「当店の車検を予約してください」と勧められた顧客のうち、一体どれくらいの人が申込書に記入してくれるでしょうか。対象は給油来店客で3年先の車検のお客様まで対象です。その多くは短期促成アルバイトが対応します。

結果を申し上げます。
2月末までに6,577人のお客様に意向確認し、4,101人が予約してくれました(表1)。予約獲得率は何と62%です。

「仮予約」も含め6割以上が次回の車検を予約してくれます。これは予想以上の出来です。
一方、お客様に車検のDMを送ろうと、昨年夏から顧客リストの獲得活動を始めており、今年も継続しています。

この1月、新規客に「こちらにご記入ください」とリスト用紙を差し出したのは1,232件、記入してくれたお客様は719件でした。つまりリスト獲得率は58%。おそらくGET8000活動の方に意識も行動も傾注したためリスト獲得は多少気が抜けたのだと思います。
とは言えSSという業態は、顧客リストを獲得するのと変わらない簡単さで、車検の予約が獲得できました。これは大発見です。

さて「GET8000」活動は当社総力戦です。2月中旬からは、SSだけでなく本社、整備工場、レンタカー専業店、買取専門店など全部門に勤務する社員・アルバイト全員にノルマを与え、その家族、親戚、友人、取引先からの「紹介」による車検獲得作戦を実施しています。そこで改めて感じたことがあります。
たとえば私の家内は10人ほどの主婦仲間で和気あいあいと家庭菜園をやっています。「車検予約なんて鼻歌まじりで全部取れるワ」と言っていました。ところがこぞって「ゴメンナサ~イ、不義理できないの」という返事。結局1件も獲れません。

つまり地場の整備工場やカーディーラーが、地縁血縁を使って必死で車検客を抑え込んでいるのです。彼らは顧客にしがみ付いて離しません。
千葉県のある整備工場から横浜の営業所に転勤した人に聞きました。何と千葉時代のお客さんを逃がすまいと、東京湾を超え、引き取り納車していると言います。“車検死守”の迫力に圧倒されます。

どうりで車検を100%取るのは無理な筈だ、最大限頑張っても50%か。そんな感慨を覚えます。 そして何より、SSをやってて良かったと感じます。なけなしの顧客にしがみつかなくても、顧客の方から毎月のようにやってきてくれるのはSSだけ。
「顧客接点」があるというありがたみをつくづく感じます。

顧客接点を持つSSの利点を再認識

ここで「リストを獲るように車検が獲れる」ための条件を整理します。
 ①顧客接点を生かしている
 ②商品力が強い
 ③予約のインセンティブが大きい

まずの顧客接点。
面と向かってお願いされると、半数以上のお客様は「しょうがないな」と予約してくれます。SSであることの幸せに感謝。
先日NHKテレビを視聴していると、福島原発の風評被害により、スーパーはこぞって茨城のお茶を取り扱わなくなったそうです。お茶農家は大打撃です。ところが茨城産お茶をちゃんと売っているお茶屋さんがあります。放射線量データをオープンにし、お客様一人ひとり接客販売しています。顧客接点は放射能の恐怖をも払拭するくらいの威力があるのかと感動しました。
そう言えば、セルフサービス全盛のコーヒーショップ業界にあって、フルサービスの「コメダ珈琲」がブレイクしていますね。関東でもちらほら見かけるようになりました。いつ行っても満席、おそらく客単価は1,000円近いのではないでしょうか。「接客」の底力を感じます。

の商品力は以前にも記しました。
新聞見開きサイズのチラシに両面カラーで、当店の車検は安心ですよ、お得ですよ、便利ですよ、と力一杯アピールしています。隅から隅まで見る人は少ないでしょうが、正直にやっている車検であることはひしひしと伝わります。

のインセンティブは、店頭スタッフが最も強調している部分です。
「今予約すれば、割引サービスを全部適用します。どんな車も1万円ぽっきりです。予約金もキャンセル料もかかりません。ぜひ予約してください、お願いします」と言うわけです。世の中に激安車検チェーンはいろいろありますが、どこよりも安い料金を実現しました。しかもキャンセルOKとなれば、お客様はノーリスク。だから面と向かってお願いされると「NO」と言いづらいわけですね。

車検は安売り、整備で稼ぐ

ここで「ああSSで良かったなあ」と感じる点がもう一つあります。
さきほど、車検を全車種1万円で受注していると言いました。「車検を1万円で受けたら、利益が出ない、赤字になるだけじゃないか」と思われる方は、きっと整備工場やカーディーラーの流儀に毒されている方です。
彼らは車検の透明性を打ち出すため「立会い短時間車検」が流行りです。激安車検専門店の車検粗利は1台当り平均2万5千円と言います。薄利多売方式ですから、必要最低限しか整備しません。そしてこれ以上車検料金を下げるとやっていけません。

しかしSSなら事前点検を行うことができます。車検の前に一度ご来店いただき、車をじっくり点検し、報告し、不具合箇所の整備見積を提示し、そして受注します。受注した箇所は、後日車検のときに整備します。
車検の日になって「ここも整備した方がいいですよ」と追加見積を出されるのと、事前に納得の上で決めておくのとでは、お客様の安心感が違います。

ですから車検を1万円で売っても、SSは平均3万円以上の整備粗利を獲得できます。車1台当り合計4万円以上の粗利となります。 車検の予約時に車検日だけでなく事前点検日もお客様と約束するのはこういうわけです。SS側も担当スタッフとピットをしっかり確保して臨みます。
当たり前のことですが、整備は提案すれば一定割合売れますが、提案しなければ売れません。

(表2)は、当社SSで車検を実施した直近1,000台から受注した整備の粗利貢献度ベスト12です。たとえば3,363円のブレーキオイル交換は、提案すると73%のお客様が注文してくれます。下回りスチーム洗浄は受注率97%、ほとんどの人が注文してくれます。これ一品で2,000円近く客単価を押し上げてくれます。

整備粗利は提案数にほぼ比例します。ですから車検の客単価を確保するためには、整備商品の品揃えと提案数のマネジメントが不可欠です。当社SSの整備商品を、提案件数の多い順に(表3)で示しました。ご参考になるでしょうか。



給油のついでにすすめると5割以上が車検を予約してくれる。車検を獲ったら時間をかけて客単価を上げる。これができるのはSSだけ。
まだまだ8,000台の入庫にはクリアすべき課題がたくさんありますが、SSであることのありがたみを噛みしめる2ヶ月間でした。

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