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増田信夫の油外放浪記  MIC社長増田信夫 第42回2月商戦を支えた「ほっとけ油外」

給油と連動・非連動で収益に明暗

当社は4カ所のSSを運営していますが、2月の合計実績をご紹介します(表1)

寒波が到来したためか、灯油は少し伸びました。しかし、うるう年で1日多いにもかかわらず、今年2月のガソリンは減販しました。ガソリンマージンも減少の一途です。

戦中・戦後の間もないころ、ガソリンの位置づけは、「ガソリンの一滴は血の一滴」とまで言われた国家的戦略物資でしたが、今や口銭はL当たり3.4円。満タン給油をしてもらっても、その収益で缶コーヒー1本さえ買えません。まるで子供のお駄賃です。

油外販売はどうでしょう。
給油客数が減少したためか、洗車、オイル、車検は前年実績を下回りました。一方で、車販、廃車買取、中古車レンタカー、中古車リースは順調に伸びました。伸びた商品に共通するのは「給油客数に連動しない」ことです。

これらの油外商品のおかげで、燃料油、洗車、オイル、車検の減少をカバーしてなお420万円の粗利増となりました。
もしも燃料油連動型商品だけを取り扱っていれば、油外収益もガソリンと一蓮托生で惨憺たる結果になっていたかもしれません。

マクドナルドやセブンイレブンを見ても、新商品の投入は小売り業を活性化させます。当社SSも、中古車リースや廃車買取など、前年にはなかった油外商品がしっかり収益に貢献しています。やはり商品開発は大切ですね。

次にコストを見ます。
当社はマーケティング会社でもありますから、SSはその実験投資対象ともなります。したがって普通のSSより高コスト構造です。

4SS合計で2月の経費は3,400万円。前年と比べ、ほぼ横ばいに抑えることができました。これは投入した新商品が販売活動に人件費の掛からない「ほっとけ商品」だったというのが大きいでしょう。SSの戦略として、元売会社の直営店舗や広域大手のSSように、燃料油を「面」で拡大する方法があります。

しかし、当社のように、もはや燃料油では勝負にならないSSは、燃料油に連動せず、「ほっとけ」で売れる油外商品を開発し投入することが不可欠です(表2)

そういうわけで2月は、4SS合計で760万円の営業利益が出ました。一生懸命に頑張って、前年比400万円増です。

とはいえ、「ガソリンマージンがせめてL5円あればなあ・・・」とないものねだりの気持ちを消すことはできません。


ミラーリングで土俵際を踏ん張る

車検がじりじりと減っています。車検は法定需要ですから、顧客が「買い控えている」わけではありません。競合店との綱引きに負けていると考えていいでしょう。
かつてカーディーラーは新車を売るための補完機能として車検を位置付けていました。しかし、今や彼らにとって、車検も主力商品です。カーショップも車検を重点商品と位置付けています。こぞってインフラを整え、勢いのある販売促進を行っています。もちろんコバックなど車検専門店も命がけです。

当社も指をくわえて見ているわけにはいきません。
前回も述べましたが、車検強化の一環として「ミラーリング」を再開しました。 ミラーリングは商圏内の車検獲得活動のひとつです。駐車場などに停まっている車両の車検ステッカーを見て、満了日が近い車のドアミラーにチラシを取り付けるというものです。新聞折り込みは商圏内世帯に対する無差別告知ですが、ミラーリングは見込み客にピンポイントで告知するため、優れた費用対効果を発揮します。

今から10年ほど前は、当社の商圏でも、SSのほか、数多くの整備工場、あるいはユーザー車検の代行業者などがミラーリングを繰り返し行っていました。車検の時期が近づいた車には、毎日のように案内チラシが取り付けられていたものですが、車検ステッカーが小型化したことを契機に、当社も含めてミラーリング活動は下火になりました。
しかし今、ミラーリングを実施している業者はほとんどいません。逆にチャンス到来です。

そこで今年1月にミラーリング・スタッフを募集しました。
主婦や定年退職者など数十名の方々にお集まりいただき、説明会を開きました。そして、その中から適性のある方を数人選んで業務委託しました。

まずは車検ステッカーが2月の車両へ約250台、同じく3月の車両へ約500台、4月の車両へ約400台、合計約1,150台の車に対し、ミラーリングを実施しました。
その結果、2月は計17台が入庫しました。2月車検のターゲットに対して当月に入ってから 告知をしたわけですから、条件は悪いのですが、それでもヒット率は5%を超えました。顧客の反応は10年前と何ら変わっていません。

ミラーリングのコスト負担は、まずスタッフ募集活動に18万円が掛かりました。その後のランニング費用ですが、スタッフに対する業務委託費と、チラシなどのツール代が必要となり、ミラーリング実施1件当たり約100円をかけています。
ですから、車検1台を獲得するための販促コストは2,000円くらいです。

車検の粗利は車1台当たり4万円くらいなので、コストパフォーマンスは良いでしょう。毎月継続して実施してみようと思います。

レンタカーを売ってみたら

当社のSSの車販の在り方が変化しています。
最初SSで中古車販売を始めた時は、SSスタッフに担当させていました。多くのSSスタッフが興味を持ち、楽しく取り組みました。しかし、ほとんど売れません。しかも車販に時間をとられ、他の油外販売も落ち込むというダブルパンチに見舞われました。

そこで車販専任チームを結成しました。
SSスタッフはフィールドで車販の見込み客を見つけるだけ。見つけたら即専任チームに連絡し、専任チームは商談からオークションで落札し、納車まで一貫して行うように改めました。すると、車販実績はみるみる向上し、月600万円の粗利を上げるまでになりました。

しかし、2008年秋のリーマンショック以降、販売台数は下降し続け、単価も下がり、またSS側の事情もあり、2年前に車販チームは解体しました。チームのメンバーは、SS店長やSSスタッフとして再配置しました。
各SSに配置された元車販チームのメンバーが引き続き車販を主に担当するようになりましたが、最近は、レンタカーをよく売るようになっています。レンタカーを利用したお客様や、貸し出し待機中の車両を見たお客様が、「売ってほしい」と申し入れをしてくるのです。

そこで車両の償却残高に、レンタカーとして向こう2~3カ月間運用すれば得られる利益の15万円ほどを上乗せした価格で販売しています(表3)

つまり、レンタカーを販売しても2~3カ月以内に補充すれば、逸失利益はないことになります。

通常の車販業務は、まず最初にお客様の希望を聞き入れ、次いでオークションで流通する膨大な車両の中から選び、そして、お客様の予算内で競り落とすことができると、やっと販売できます。

しかし、レンタカーを売る場合は、お客様がその車を「買うか」「買わないか」を選択するだけですから、販売の手間はかかりません。ほとんど「ほっとけ」販売といえます。

お客様にとっても、レンタカーとして整備され、運用されている車であるという安心感があるようです。
レンタカーを販売すると、下取り車が手に入ることもよくあります。これを加修してレンタカーにしたり、スクラップ業者に販売すると、これも利益になります。

こう考えると、中古車という商材について「これはレンタカー」「これは販売車」というようにSSが限定するのではなく、「借りる」か「買う」かはお客様が決めればいい、ということになります。
SSはお客様の意向に沿って事務的に対応すれば、しっかり利益を確保できます。

特に夏はレンタカーの需要がふくらむので、夏に向けてレンタカー在庫を増やす。そして、秋から冬にかけてこれを販売すれば、SSが得る利益は最大になります。
このサイクルを強化してレンタカー事業を骨太にするべく、目下、知恵を絞っていることろです。

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