情報サービス・出版物

  1. トップページ
  2. 情報サービス・出版物
  3. 増田信夫の油外放浪記一覧
  4. 油外放浪記記事

増田信夫の油外放浪記  MIC社長増田信夫 第18回「格安レンタカーの意識調査」

電気自動車、乗ってみると世界が変わる

まず報告です。
電気自動車i-MiEV(アイミーブ)がようやく当社仲町台SSに納車されました。急速充電器の設置が遅れたので、とりあえず我が社の社員が一通り試乗し、つい先日からレンタカーとして稼働させたところです。

私はガソリンエンジン車への憧れから車に乗った世代です。ですから電気自動車の実 用性能については懐疑的でしたし、普及にはまだ時間がかかると思っていました。しかし実際に乗ってみると驚きます。世界観が変わります。始動でいきなり トップスピードになり、ほとんど無音。部品が少ないせいでしょうか、軽自動車のくせに室内はゆったりしています。

もう何年かすれば、「免許を取って最初の車が電気」という世代が出現するでしょう。何しろ「排ガスゼロ」で「無音」です。この特性は、ガソリン車では考えられなかった用途(市場)を創造するに違いありません。

電気自動車は石油販売業界にとって「目の敵」ですが、われわれの思惑とは関係なく、時代は動き、経営環境は変わります。 そんなことをひしひしと実感しました。

全国規模のレンタカー意識調査

さて、このたびレンタカーのマーケット調査を実施しました。
レンタカー業界はSS業界以上に保守的な業界のようです。公開されたマーケティングデータがほとんどありません。

そこで日経新聞などでお馴染みの調査機関「マクロミル社」に委託し、この2月に全国規模のユーザー意識調査を実施しました。

有効回答数は1,042。国内の人口構成、性別、年齢比に応じて無作為に抽出した運転免許保有者です。

調査結果を見てみましょう。
まず3人に2人が「レンタカーの利用経験」がありました(グラフ1)。


そのうち「6か月以内に1回(年間2回以上)」利用するヘビーユーザーは、全体の12%です。
レンタカーを借りる場所は「自宅周辺」が43%。
利用目的は「仕事以外」が9割近くを占めます。(グラフ2)

ここまでは一般的な「レンタカー」の利用についての回答ですが、次にSS業界が中古車を利用して先鞭をつけた「格安レンタカー」について聞きました。

当社がSSレンタカー実験を初めて1年半、ニコニコレンタカーのFC展開を初めてから約1年が経過します。当社より先行して3年以上の歴史を持つSSレンタカー会社もあります。

さて現在、一般ユーザーにどの程度知られているのでしょうか? 何と3分の1が、格安レンタカーサービスを「知っている」と回答しました(グラフ3)。


SS業界でレンタカーが注目を浴び始めたのがこの1年ほどですが、意外なほどユー ザーは敏感だと感じます。ユーザーの認知度は、今後数年で一気に高まるでしょう。次にいくつかのSSレンタカーブランドを示して「知っているか」を聞いた ところ、「ニコニコレンタカー」の知名度は10%でした。1年間の告知PR活動による全国レベルの認知度が10人に1人。なかなか上々です。

では「そのレンタカーブランドをどうして知ったのか」を聞くと、「ニコニコレンタカー」は次のようになりました(複数回答)。
①マスコミ報道 43%
②インターネットニュース、ブログ 29%
③店頭看板 23%
④ホームページ 11%

⑤口コミ 8%
⑥商圏告知物 5%

マスコミ報道は、PR活動を仕掛けた結果が出ました。店頭看板は、店舗数が多くなるほど認知率も上昇するでしょう。店舗が行う商圏告知(折込チラシや駅看板など)は、高い知名度のためほとんど必要ないので、その比率は低くなっています。

横浜市都筑区─店舗の存在が認知を高める

ところで当社の直営SSがある横浜市都筑区在住の無作為抽出ドライバー208人にも、同じ調査を実施してもらいました。

当社直営店では販促実験の意味から商圏告知を実施しています。立上げ時期にはポスティングも行 いましたが、今は車検のチラシの一部を使ってレンタカーをアピールしています。営業期間も1年半と長く、現在は当社を含め3店舗のニコニコレンタカーが区 内にあります。

こうしたエリアに限定すると、やはり知名度も大きく上昇します。比較してみましょう。

格安レンタカーを「知っている」人は、全国35%に対し、都筑区では60%。うち43%が「ニコニコレンタカー」を知っていました(グラフ4)。

その認知経路はこのようになります。
①マスコミ報道 28%
②インターネットニュース、ブログ 7%
③店頭看板 58%
④ホームページ 3%
⑤口コミ 7%
⑥商圏告知物 39%

全国ベースの調査結果と随分違いますね(グラフ5)。

つまりこういうことです。「私の町」に実際にお店(店頭看板)がある。お店があるから「知っている」。知っているから折込チラシやマスコミ報道にも注目する、という理屈でしょう。

マスコミ報道も昨年に比べると一段落しました。今後は店舗数の増加とともに、全国レベルでの認知度が高まるでしょう。ブログやTwitterなど、ユーザー発信情報の高まりも見逃せません。ユーザー数の多さが知名度をさらに押し上げます。

さてアンケート調査は続きます。
都筑区のドライバーに「ニコニコレンタカーを利用したいか」意向を聞き、さらにどこで利用したいかを聞きましたが、こちらは全国調査とほぼ同じ結果となりました(グラフ6、7)。 さらに利用頻度を聞いてみると、年間平均2.0回となりました。

 

ここから推論します。
都筑区の免許保有者数は11万9千人。知名度が上がって80%が認知したとしましょう。ニコニコレンタカーを「利用したい」人は57%。そのうち「地元 で」利用した人は36%。したがって、都筑区民のうち2万人が潜在顧客です。彼らが年間平均2回利用します。1回当りの客単価は、実績値で6千円。

したがって年間市場規模は、2億4千万円。つまり月間2,000万円の潜在市場 が、都筑区に存在している計算となります。2008年秋にも全国調査を実施しましたが、当時はSSレンタカーの存在そのものが全く知られていない状況でし た。今回はかなりリアルな調査結果が出たと思います。

さて、都筑区内の既存3店の月間売上は、約500万円です。 したがって現在の市場シェアは25%。知名度上昇とともに、まだまだ売上規模が上がると予想できます。

車販変調で営業体制を変えた

ところで当社直営SSでの中古車買取・販売に変調が起こっています。収益が前年を割るようになりました。
その理由は、お客様の車買替えインターバルが延びたこと、たとえ買い替えるにしても、エコカー減税によってカーディーラで新車を買う人が増えたことが挙げられます。

これは構造的な問題ですが、すべての人がディーラーで買うわけではありません。そこで車販選任チームのマネジメントを次のように見直しました。車販の業務手順も車検と同様、「見つける」「口説く」「こなす」の3つから成り立ちます。

当社では従来、日頃の接客の中から車販見込客を「見つける」のはSSスタッフの仕 事、見込客と商談し「口説く」のは車販専従スタッフの仕事、さらにオークション落札や登録、納車手続きといった「こなす」のも車販専従スタッフの仕事、と してきました。自動車販売業界では営業マンが納車までこなすのが「不文律」となっているようで、当社もこれに準拠してきました。

ところが「こなす」仕事が、意外にスタッフの足を引っ張っています。「こなす」は1台につき20時間以上を要していますが、「口説く」のが上手いスタッフほど「こなす」仕事量が増えるため、どんなに頑張っても月間販売台数は1人10台が限界です。

そこで3月から「口説く」と「こなす」も分業化しました。 打率の高いスタッフは「口説く」に特化し、売れたら「こなす」スタッフにリレーするという仕組みです。売れるスタッフに後顧の憂い無く営業に専念してもらおうというわけです。
早くも改善の兆しが現れ始めました。これに関してはまた改めてご報告させていただきます。

油外放浪記一覧へ戻る